「また考えすぎてしまった。」
「ちゃんとしなきゃと思って苦しくなる。」
「人に迷惑をかけてはいけない。」
こんな思考のクセに悩んだことはありませんか?
心理学にもヨガ哲学にも、このような心のクセを扱う考え方があります。
でも、そのアプローチは少し違います。
心理学は「信念を見つける」
心理学では、苦しさの背景には「信念(コアビリーフ)」があると考えます。
例えば、
- 人前で話すのが怖い
- 失敗したくない
- いつも頑張りすぎてしまう
そんな行動の奥には、
「ちゃんとしなければ価値がない。」
「迷惑をかけてはいけない。」
「弱音を吐いてはいけない。」
という無意識の信念が隠れていることがあります。
まずはその信念に気づき、「本当にそうなのだろうか?」と見直していくのが、心理学の代表的なアプローチです。
ヨガ哲学は「信念を観察する」
一方、ヨガ哲学では、こうした心のクセを「サンスカーラ(心に刻まれた習慣)」と考えます。
ヨガでは、最初から自分の信念を分析しようとはしません。
まずは呼吸を整え、体をゆるめ、心を静かにしていきます。
すると、
「胸が苦しい。」
「肩に力が入っている。」
「また失敗が怖くなっている。」
そんな心や体の反応に気づけるようになります。
さらに静かな意識で観察を続けると、
「私は昔から『ちゃんとしなきゃ』と思っていたんだ。」
そんな長年の心のクセが、自然に見えてくることがあります。
ヨガでは、この「気づき」がとても大切にされています。
変えようとするより、見つめられるようになる
心理学では、信念を理解し、柔軟な考え方へ変えていくことを目指します。
ヨガでは、その信念を「私そのもの」だと思わず、
「これは長年繰り返してきた心のクセなんだ。」
「この考えに気づいている私は誰だろう?」
と、一歩離れて見つめられるようになることを目指します。
この「見ている私」を育てることが、ヨガ哲学ではとても大切です。
私がヨガで大切にしていること
私のレッスンでは、「思考を変えよう」と頑張ることはあまりしません。
まずは安心して呼吸ができること。
体の力が抜けること。
ヨガやヨガニドラを通して、「安心していて大丈夫」という体験を何度も積み重ねることを大切にしています。
すると、不思議なことに、以前なら苦しくなっていた出来事にも、少しずつ違う反応ができるようになります。
ヨガ哲学では、安心を何度も体験することで、新しいサンスカーラ(心の習慣)が育つと考えます。
思考を力ずくで変えるのではなく、安心を育てることで、心のクセも少しずつ変わっていきます。
私は、その変化を多くの生徒さんと一緒に見てきました。
心理学もヨガ哲学も、目指しているのは「苦しみから自由になること」。
方法は違っても、どちらも私たちの心を優しく支えてくれる、大切な知恵なのです。