「もっと前向きに考えよう。」
「気にしないようにしよう。」
「自分を責めるのはやめよう。」
そう思っているのに、気づくとまた同じことで悩んでしまう。
そんな経験はありませんか?
私も以前は、「考え方を変えなければ」と思っていました。
でも、ヨガを続ける中で気づいたことがあります。
人は、安心できていないときには、思考だけを変えることは難しい。
だからヨガは、まず「安心」を育てることから始めます。
「わかっているのにできない」のは、意志が弱いからではありません
例えば、
「失敗しても大丈夫。」
頭ではそう思っていても、
いざ本番になると、
- 心臓がドキドキする
- 呼吸が浅くなる
- 「ちゃんとしなきゃ」と焦る
こんな経験はありませんか?
これは意志が弱いからではありません。
心と体が、「危険かもしれない」と反応しているからです。
その状態では、どれだけ前向きな言葉をかけても、心は安心できません。
ヨガは、まず体から安心を思い出す
ヨガの時間に、
ゆっくり呼吸をして、
肩の力が抜けて、
体が温かくなってくる。
そんな経験をしたことはありませんか?
安心すると、呼吸は自然に深くなります。
そして、呼吸が深まると、心も少しずつ落ち着いてきます。
ヨガは、「安心しても大丈夫」という感覚を、体に何度も思い出させる練習でもあるのです。
思考を変えるのではなく、思考との距離をつくる
ヨガ哲学では、
私たちの心には「サンスカーラ」という心の習慣があると考えます。
例えば、
「ちゃんとしなきゃ。」
「迷惑をかけちゃいけない。」
「失敗してはいけない。」
そんな思考を長年繰り返していると、それは心の通り道になります。
だから同じような出来事が起きると、自動的に同じ思考が浮かびます。
ここでヨガは、
その思考を無理に消そうとはしません。
代わりに、
「あ、また『ちゃんとしなきゃ』という考えが出てきた。」
と気づく力を育てます。
思考をなくすことではなく、
思考を見つめられる自分になること。
それがヨガの大切な練習です。
ヨガニドラが教えてくれたこと
ヨガニドラをしていると、
過去の出来事や感情がふと浮かんでくることがあります。
以前なら思い出すだけで苦しかった出来事も、
安心した状態の中で見つめることで、
「苦しかったね。」
「本当によく頑張ってきたね。」
と、自分に寄り添えることがあります。
そして、
「今の私は安全なんだ。」
と感じられるとき、
その出来事との関係が少しずつ変わり始めます。
安心が、新しい心の習慣を育てる
ヨガ哲学では、
長年繰り返してきた心の習慣を「サンスカーラ」と呼びます。
だから、
「ちゃんとしなきゃ。」
という反応も、長い時間をかけて育ってきた心の習慣なのです。
同じように、
安心を何度も体験することでも、新しい心の習慣は育ちます。
呼吸を感じる。
体がゆるむ。
「今は安全。」
そう感じる時間を繰り返すことで、
少しずつ、
「大丈夫。」
という新しい通り道が心に育っていきます。
ヨガは、古いサンスカーラを力づくで消すのではなく、
安心という新しいサンスカーラを育てることを大切にしています。
今日できる小さな練習
今日、3分だけ静かな時間をつくってみてください。
目を閉じて、呼吸を感じます。
そして、今日少し心がざわついた出来事を思い出してみましょう。
そのとき、
「どうしてこんなことを考えたんだろう。」
と分析する必要はありません。
ただ、
「胸が苦しかったな。」
「『ちゃんとしなきゃ』と思っていたな。」
と優しく眺めてみてください。
そして最後に、自分へこんな言葉をかけてみてください。
「あの時は苦しかったね。でも、今ここにいる私は安全。」
この一言が、安心へ戻る小さな練習になります。
ヨガは、「苦しくならない人」を目指すものではありません。
生きていれば、不安になる日もあります。
落ち込む日もあります。
でも、そのたびに、
自分を責めるのではなく、
呼吸に戻り、
体に戻り、
安心に戻る。
その力を少しずつ育てていくのがヨガです。
だから私は、
思考を変えようと頑張るよりも、
安心を育てることを大切にしています。
安心は、特別な人だけが持っているものではありません。
毎日の呼吸と、小さな気づきの積み重ねで、誰の中にも育てていける力なのです。
◎安心の土台を育てるマンツーマンプログラムはこちら
◎予期不安について全体的に知りたい方はこちらの記事へ
→「予期不安とは?〜」