1年間かけて、ヨガを学んでくださった方が養成講座を修了されました。
ご自身の不調をきっかけにヨガを深く学びたいと思ったこと。
そして、ヨガが心と体の両方に良いことを自分自身で体感し、
「今度は、自分もヨガを伝える仕事がしたい」
と思うようになったこと。
仕事や子育てをしながら、1年間、自分のペースで学び続けてくださいました。
そして最後にいただいた感想を読んで、私自身も、この1年間を振り返ることができました。
「教える」よりも、大切にしてきたこと
養成講座では、もちろんヨガのポーズや呼吸、身体のこと、ヨガ哲学など、さまざまなことをお伝えしてきました。
でも、私が一番大切にしていたことがあります。
それは、
目の前にいるその人を、信じること。
一対一で向き合うときも、何人かで学んでいるときも、
「この人には、この人にしかない答えがある」
ということを、私は信じていたいと思っています。
だから、すぐに答えを教えるのではなく、自分で考えてもらう。
うまくできることだけではなく、迷うことや失敗することも経験してもらう。
そして、その人自身が感じたこと、考えたことを大切にする。
そんな時間を積み重ねてきました。
安心できると、人は自分で伸びていく
今回、受講生さんからこんな言葉をいただきました。
「実践を何より大切にして経験させてくださったこと、答えを考える力、信じる力を育ててもらい、本当に先生のところでヨガを学ぶ決断をした自分をほめたいです!」
この言葉を読んで、私はとても嬉しくなりました。
なぜなら、私が育てたいと思っているのは、
「先生に教えてもらったことを上手にできる人」
ではないからです。
自分で感じて、自分で考えて、自分で選んでいける人。
そして、自分自身を信じながら、目の前の人にも安心して寄り添える人。
そんなヨガの伝え手になってほしいと思っています。
そのためには、まず学ぶ場所そのものが安心できる場所であることが大切なのだと思います。
間違えても大丈夫。
迷っても大丈夫。
すぐに答えが出なくても大丈夫。
立ち止まっても、戻っても大丈夫。
そんな環境があるからこそ、人は少しずつ力を抜いて、自分の内側にあるものを出していける。
そして、自分でも気づいていなかった「本当はこうしたかった」という思いに出会っていけるのだと思います。
1年間で起きた、さまざまな変化
受講生さんが教えてくださった、ご自身の変化があります。
・自分にうそをつかないという意識を持てるようになった
・相手の感情に飲み込まれなくなった
・自分の弱さや、「認めてもらいたい」という気持ちが強いことに気づいた
・そんな自分も許していく一歩を踏み出せた
・子どもとの関係がよくなった
「心配する」から「信じる」へ変わっていった
・ヨガが「楽しいもの」から「自分の人生に必要なもの」へ変わった
・日々の中で、エゴの自分に気づけるようになった
・本当の自分を信頼していく覚悟ができた
・不安が出やすい自分を客観的に見る力が身についた
変化こそがヨガを学ぶ意味の一つなのだと思っています。
ポーズがきれいにできるようになることだけが、ヨガの成長ではありません。
自分の心の動きに気づく。
自分を偽らなくなる。
誰かをコントロールするのではなく、信じられるようになる。
不安がなくなるのではなく、不安になっている自分を一歩引いて見ることができる。
そして、自分の人生を自分で選んでいく。
それが、ヨガが私たちにもたらしてくれる大きな変化だと思います。
「心配」から「信じる」へ
中でも私の心に残ったのが、
「子どもへの心配が、信じられるようになった」
という変化。
心配することは、悪いことではありません。
大切だからこそ心配になる。
失敗してほしくないから、先回りしてしまう。
傷ついてほしくないから、手を出したくなる。
私たちは、愛情から誰かを心配することがあります。
でも、その「心配」の中には、
「この人は大丈夫だろうか」
という、自分の不安も含まれていることがあります。
相手を信じるということは、相手を放っておくことではありません。
「この人には、この人の力がある」
と信じて見守ること。
それは、子どもに対してだけではなく、家族にも、生徒さんにも、
そして自分自身にも言えることです。
ヨガを教えるということ
今回の1年間を通して、私自身も改めて気づかされたことがあります。
人は、安心できる場所があると、伸び伸びと自分の方向へ進んでいける。
誰かに「こうしなさい」と言われ続けるよりも、
「あなたはどう感じる?」
「あなたはどうしたい?」
と問いかけてもらえることで、自分の答えを探し始めることができる。
そして、その答えを信じて一歩踏み出していける。
だから私は、ヨガを教えるときにも、養成講座で人を育てるときにも、
目の前の人を信じること
を大切にしていきたいと思っています。
その人の中には、すでにその人自身の答えがある。
私の役割は、それを代わりに決めることではなく、
安心して探していける場所をつくることなのかもしれないなぁと思いました。
これからも、ヨガを学ぶ人が「自分を信じる力」を育てられるような場所を、丁寧につくっていきたいと思います。
1年間、本当にありがとうございました。