思考や心はコロコロと変わります。
これは変わる性質を持っているので当たり前なのですが、
自分=思考だ
あるいは
自分=心だ
と思っていると、
変わる性質をよりどころとしているので、いつも揺れます。
不安の中で生きているような感じです。
ヨガ哲学では、
「私、自分というもの」は「変わるもの・変わらないもの」の二つに分けられると考えます。
思考や心は自分の中の「変わるもの」。
そして魂は「変わらないもの」。
よく「ありのままの自分でOK」だ。
とか言いますが、これは、
この「変わらない私=魂の自分」で生きている時、
どこにも欠けのない、それだけで完璧な存在だということです。
この「変わらない私」の感覚は、ヨガをしている最中に「なんともいえない至福感」として感じられます。
思考は止まり、穏やかに自分に戻る感覚。。。
「あぁ、この自分でいいのだ」という安心感。
この「変わらない私=魂の自分」が自分の中にある。
ということがわかれば
何があっても安心感が生まれます。
何があっても、思考や心に振り回されてても、
私たちの内側の深い部分は、いつだって平和なのです。
そこに戻れる安心があります。
呼吸が浅いという方。
まず今の自分の呼吸を観察してみませんか。
何を観るかというと
吐く息の最後の最後まで観ていきます。
吐き切るとはどうなったときなのか?
吸う息との切り替わりはどうなっているのか?
そこに間が存在するのか?
と
興味深く自分の呼吸を観察するだけで
少し呼吸が深まります。
そして、
「吐き切る」
と
「吸い始め」
の間にある静かな間。
ここを長くしていければ、
心地のよい呼吸の環が出来ます。
レッスンに来られる方がよく、
「ここに来ると、呼吸がいつもより楽に深く出来るんです。」
とおっしゃいます。
場も大事です。
やはり、いい気の流れる場所は呼吸も深まります。
レッスンでは、
「みんなが心地よい本来の呼吸に戻れるように」
このために
場を整えること、気を満たすことにとても気を使っていたりします。。。
話が逸れましたが、
呼吸は、生命をつなぐためには止めてはならないもの。
その呼吸が浅いと、可もなく不可もなくと言ったところです。
呼吸が深くかつ意識が内側に向いていれば
長寿、アンチエイジング、病気予防、ダイエット、、、と様々な効果がもたらされます。
しかも道具もいらない、場所もとらない、自分一人でできます。
前回の「不安は自分の頭の中で作っている」の続きです。
不安な気持ち。
世の中色んな大変な事が起こって、不安な気持ちが湧いてくるのは自分ではどうしようもないことと思っているかもしれませんが、
実は、不安は自分の頭のなかで作っています。
実際には起きてはいない未来のことを先に考えて、
「あれがこうなったらどうしよう」
「現実にこんなことが起きたら私はどうなってしまうのだろう」
と頭の中は、次々不安を考えだすようになっています。
いったん思考が暴走しだすと、何とも言えない不安感に襲われる場合もありますね。
けれど客観的にみると、それは「あなたの頭の中」で作り出している妄想であって、
その瞬間現実の世界では、何も起きてはいません。
私の場合。
今朝は、
雪の降り積もる様子をみるとすぐに
まだ除雪もやってないし雪道の運転もしてないのに、
「大丈夫かな?」と
漠然と不安を感じて、どよーんとした自分がいました。
ここ数か月は、
高校受験の娘のことがなんとなく気になり、
まだ高校に行ってないのに
「バスで毎日通えるのだろうか?」
「あの高校で落ちこぼれないだろうか?」とかまだ起きてないことを色々と考え不安になる日々。
あとは、
小学校に上がる息子は大丈夫なんだろうか?
中学校に上がる娘は大丈夫なんだろうか?
3人とも一気に新生活で私はうまくフォローできるんだろうか?
等々、
起きていないことの不安を私の頭の中で作っております。
(きっと、子供たちは不安よりもワクワクしていることと思います。)
取り越し苦労のエネルギーほど無駄なものはないですね!
この不安を作り出す思考を大人しくさせるには
まず「今、私はまた頭の中で起きていないことの不安を考えてたな」と気づくこと。
そして
目の前のことに集中することです。
私も、気付づたらすぐに目の前のことに集中するようにしてます。
そうしたらすっと落ち着けます。
そしてそのたびに「不安は自分で作っているな」と確認してます。
前回も書きましたが、
ヨガの場合は呼吸と身体を観察すること。
日常では、目の前の作業に集中することです。
例えば、歯磨きをしながら、先のことを漠然と考えるのではなく、歯の汚れが落ち、ピカピカになることをイメージしながら歯磨きに集中します。
これが「マインドフルネス」の状態です。(掃除も洗濯も料理もすべてマインドフルネスの練習になります。)
そうすると思考が大人しくなってきます。
私の中には「思考」という暴れん坊がいる。
この存在をちゃんとわかっておいて
この暴れん坊をどう管理していくか、味方につけるか敵とするかで人生の不安が増えたり減ったりします。
ヨガや瞑想の時間は、身体の緊張をとるというのも大事ですが、
実はマインド・思考を客観的にみて大人しくさせていくということがとても大事になります。
マインド・思考が大人しくなり「今ここ」にいる状態が「本来の自分」です。
最近は、思考を静めるためにヨガと瞑想の時間がなくてはならないものとなっている私です。
これがなかったら、ずーっと不安の渦の中に漂っていたかもしれないです。。。
私という存在は、「変わらないもの」と「変わるもの」とで構成されています。
変わらないもの=魂。
変わるもの=肉体、心、思考、自我など。
私というのは
心、思考だけではないという認識をもつことがとっても重要です。
先のことを不安に思う「思考」は、私の一部分であって、私の主人ではありません。
なので、不安を感じさせるおしゃべりを続けてくる「思考」をストップさせることもできるわけです。
「また、思考が不安を感じさせるようなこと言ってるな」と気づいたら、やめる。
そして目の前の物事に集中していきます。
例えば、茶わん洗いをしながら「この先のことを漠然と考え、憂鬱になる」という場合。
不安を頭で考えだしたら、それに気づいて
茶わんを洗うことに集中するのです。そうすると、思考が大人しくなります。
また湧いてくる→気づく→茶わん洗いに集中
これを繰り返していきます。
安心を感じながら生きるためには、動きまわる思考・心を「今」につなぎとめることです。
ヨガの時間はその練習を
自分の呼吸と身体を観察することで練習しているわけです。
これを実生活でも使っていけるようになると、人生を自分軸で生きられるようになります。
不安は自分の頭の中で生み出しているだけなのだと気づけます。
茶わん洗いでも、車の運転でも、歯磨きでもすべてがマインドフルネスの実践になります。
日々、実践です。